住まい選びでこだわる点は十人十色ですが、本特集では現在の住宅トレンドの3つ「自然素材・健康」「耐震・防災」「省エネ・エコ」にポイントをしぼり、ハウスメーカー・工務店へ取材を行いました。
特徴を掴みやすくするためにトレンドは3つに絞りましたが、掲載されている住まいの”顔”はバラエティにあふれています。お施主さんのこだわり住宅や最新モデルハウス、12例をご紹介いたします。
人と自然が寄り添う快適住宅

建材などから出る化学物資を原因とするシックハウス症候群などへ対応するため、汚染源となる化学物質の使用が法律で禁止・制限されています。一方、住宅メーカーや工務店など住宅業界でも、住む人の健康に配慮した建材の使用に力を入れています。たとえば、無垢の木、珪藻土や漆喰など自然素材を積極的に使うこともそのひとつです。こうした素材は、定期的なメンテナンスが必要だったりしますが、身体的・精神的ストレスをやわらげてくれます。また、特に冬期間に住宅内部の温度差が少なくヒートショックの心配がないこと、あるいは空気が清浄であること、快適な湿度が保たれていること、段差などでけがの心配がないことなども、健康な暮らしに欠かせない要素です。
地球にも財布にも優しい住宅

家庭のエネルギー消費のうち、約3割を占めるのが冷暖房です。したがって省エネ性能の高い住宅とは、冷暖房のエネルギー消費を抑えながら、夏は涼しく冬は暖かく暮らせる住宅だといえます。そこでこうした住宅では、窓や壁、屋根・床、天井などの断熱性に高めています。また、必要な換気量を確保しつつ、気密性を高めることもポイントになります。
一方、エコ住宅とは環境性能に優れた家のことです。化石燃料の消費を抑えるため、太陽光パネルや高効率給湯器、家庭用燃料電池を採用した家が、いま増えています。また、太陽光や風など自然エネルギーをそのまま利用するパッシブデザインの住宅や薪ストーブを使う住宅もエコ住宅といえます。
家族の命を守る安心・安全住宅

耐震性は、住宅性能表示の耐震等級で知ることができます。最低の基準である耐震等級1が、建築基準法レベルで、数百年に一度程度発生する地震に倒壊・崩壊しない程度です。その1.25倍の地震に耐えられるレベルが耐震等級2、1.5倍に耐えられるレベルが耐震等級3です。
耐震とは建物をがっちりとつくり、揺れに抵抗することですが、これに加えて免震や制震で揺れを吸収する技術もあります。また、近年は度重なる地震に対しても耐えられる住宅であることも注目されています。
また、防災、減災という意味では、災害から生活空間を守ったうえで、ライフラインが復旧し、生活物資の流通が平常化するまで、水や食料、エネルギーを確保しやいことも大切になってきます。